1. HOME
  2. 特集
  3. オープニングセレモニーレポート!2021年11月1日 明治記念館にて

SPECIAL

特集

オープニングセレモニーレポート!2021年11月1日 明治記念館にて

2021年11月1日(月)明治記念館にて、日本文化サロンオープニングセレモニーが開催されました!

日本文化サロンオープニングセレモニー

セレモニーは20世紀を代表する日本と世界の文化人の肖像写真が走馬灯のように流れ、日本の山河、そして伊勢神宮へと結集するオープニングイメージ動画に始まりました。小川榮太郎代表によって文化サロン開設が宣言され、人間国宝大倉源次郎様の小鼓、若手能楽界を牽引する山井綱雄様の舞による翁・高砂・猩々の渾身の能舞台が、サロン開設を荘厳に寿ぎました。

式次第

司会 柴田美保子
一、オープニング映像上映
一、開会宣言

【第一部】
一、能 ~翁・高砂・猩々~
 能楽師 大倉源次郎・山井綱雄
一、日本文化サロン設立趣意説明
一、乾杯挨拶
一、祝辞
一、祝電披露
一、ビデオメッセージ
一、アドバイザリーボード紹介
一、「文化と創造」活動紹介
一、石村利勝詩集『ソナタ/ソナチネ』紹介

【第二部】
一、講演「文学と私」
 作家 楊逸
一、ソプラノ独唱
 ソプラノ歌手 森谷真理
一、閉会

オープニング記念公演
能 ~翁・高砂・猩々~
能楽師 大倉源次郎、山井綱雄

日本文化サロンオープニングセレモニー:大倉源次郎、山井綱雄

大倉源次郎さんのミニお能教室

「皆さん、今ご覧になった小鼓、どちらの手で持って、どちらの肩に上げて、どちらの手で打っていたでしょうか?」大倉さんからのこの質問に、会場も「そう言われると、あら?」という反応。「ぱっとやれるのは体験した方。見たり聞いたりして、分かったつもりになるのを止めてください。是非、もう一歩踏み込んで『体験』をしてください。」と語り、実際に会場の皆さんには『エアー小鼓』を体験して頂く事となりました。一段と皆様の心に残るお話となった様です。

ご挨拶

日本文化サロン代表 小川榮太郎

乾杯挨拶

筑波大学名誉教授
文藝評論家 竹本忠雄様

祝辞

第20代文化庁長官
混同文化・外交研究所代表
近藤誠一様

九州旅客鉄道株式会社特別顧問
前日本放送協会経営委員長 石原進様

祝電披露

(要約)本日のこの記念すべき会に出席できないこと、お許し下さい。日本はGDPの減少、デジタル化等の技術面の遅れ、そして急激な人口減少時代へと、この10年が日本の勝負の期間だと言われている。国を大切にする思いをできるだけ多くの国民に持ってもらうには日本の優れた文化についての理解が必要だが、文化には人を共感させ結びつける力があり、重要な役割を持つものと思う。「日本文化サロン」の成功を記念し、私も微力ながらご支援致します。

作家 楊逸
第139回芥川賞受賞作家
関東学院大学客員教授・
日本大学芸術学部文芸学科教授

オープニング記念講演
「文学と私」

講演要約: 私の場合、「文学と私」という主題は生い立ちである中国の文化環境を語らないと伝わらないだろうと思う。時は文化大革命、書店には毛沢東・マルクスがあり、文学と言えば魯迅、文学を書くならばプロレタリア文学、ヘミングウェイでさえ共産党に利用される時代だった。そうした環境下、「文学」には何かの「大義」「何かへの社会性」が無ければならないと思うようになった。
ところが、来日し、日本の小説(谷崎潤一郎・川端康成など)を読むと、言葉こそ美しいが、他人の私生活を覗いているだけのような違和感に襲われた。どうして自分にはその良さが分からないのだろうと日本の古典を理解しようと努力し、その中で、私は日本のルーツ「和」を万葉集に感じるようになった。そして、中国文学は「個」を極限まで失くしたものであり、その対極が政治的なものを排した「個」の文学である川端なのだと気付いた。「個」の追求は同時に民主主義にとっても大きな主題だ。その認識を深めつつ現在を迎えている。

日本文化サロン文化人会員イベント情報

ソプラノ歌手 森谷真理
ピアノ伴奏 髙田絢子

オープニング記念公演
ソプラノ独唱

―R.シュトラウス
「最後の木の葉」による8つの歌曲
作品10より:
◇第1曲「献呈(Zueignung)」
◇第3曲「夜(Die Nacht)」
◇第8曲「万霊節(Allerseelen)」
6つの歌曲 作品17より:
◇第2曲「セレナーデ(Ständchen)」
4つの歌曲 作品27より:
◇第4曲「明日!(Morgen!)」
―ジャコモ・プッチーニ
歌劇 『ラ・ボエーム』より:
◇アリア「私が街を歩くと
(Quando m‘en vo)」

森谷真理さんは、音楽批評家としても『フルトヴェングラーとカラヤン』の著書を持つ小川榮太郎代表が、世界最高峰のソプラノと太鼓判を押す名歌手。小川代表は2年前、知人の誘いで偶然に聴いたR・シュトラウス《サロメ》のタイトルロールで森谷さんの歌唱と演技に魅了されて以来の熱心なファン。この日の森谷さんも期待にたがわず、シュトラウスの初期歌曲集という地味なプログラムから精妙極まる声とニュアンスの奥義を繰り広げ、満場の聴衆を深い感動に誘いました。アンコールに《マノン》を歌うと、それに触発された大倉さんと山井さんが自らアンコールを申し出、源義経を描いた「八島」のラストシーンの熱演でセレモニーは終幕。思いがけないプレゼントに会場は深い感動と余韻に包まれました。

次回日本文化サロン開催のお知らせ

日本文化サロン3月公演 田中理恵「ショパン――多彩な心のキャンバスへ」